
ふたりは、水のある場所をもとめて、勇んで出発しました。
ころころ、ころころ
ぱたぱた、ぱたぱた
ころころ、ころころ
ぱたぱた、ぱたぱた
「もうじき、風の季節が終わり、お日さまが元気な光の季節がやってきます。すると雨が減り、わたしたちは、お水を飲むことができなくなります。だから、ひとつめのお願いは、近くにある川に行き、そこでお水を汲んできて飲ませてくれること。そして、ふたつめのお願いは、わたしたちが、精いっぱい花開いているのを、近くにいて、見ていてくれること。喜んでくれること。」
ふたりは、どきどきしながら、たずねてみた。
「お花ちゃんたち、こんにちは。
突然びっくりさせて、ごめんなさい。
僕たちにしてほしいこと、何かありませんか。」
「お花ちゃんたち、はじめまして。
わたしたちにできること、何かありませんか。
誰かのお役に立てること、何か見つけたいんです。」
「おや、まあ、かわいいコトリちゃんに、まんまるくまちゃん。
私たち、ずっと誰にも会わずに、退屈していたところなの。
声をかけてもらえて、とってもうれしいわ。
そうねえ、してほしいこと…。
ええ、ええ。ふたつあります。それは……」
こうして、ふたりは「世界」を仲良く歩き始めた。
「そういえば、まるちゃん、さっき、ころころ、ころころ、何をしていたの?」
「僕かい。転がっていたのさ」
「ふーん、なんで?」
「自分のまんまるさを確かめるためにね。僕って、すごくまんまるだろ?
だけど、このまんまるさは、なんのためにあるのだろう。僕のたったひとつの取り柄にもみえるし、欠点にも見える。
何かの役にたつようにも思えるし、何の役にもたたないようにも思える。
そんなこと、ずっと考えていたのさ。」
「ふーん、なんだか、むずかしいね・・・。
よくわからないけど、あなたのまんまるさのおかげで、
あなたがころころ転がって、そしてわたしたちは出会った。
わたしたちの出会いが何かの役に立つなら、
あなたのまんまるさも『意味』があったってことになるのかもね。」
「なるほど。コトリちゃんの言うとおりだ!」
「世界」を三周半もころがって、ごっつんこ。
木にぶつかって、止まった。
木の上から、ぽとりと、一羽の小鳥が落ちてきた。
「いてて。やあ、こんにちは。君は、誰だい。」
「いてて。あなたは、だあれ?」
「僕は、まんまるくまのまるちゃんさ。」
「わたしは、コトリちゃん。」
「こんにちは、コトリちゃん。」
「こんにちは、まるちゃん。」
「コトリちゃん、僕の友だちになってくれるかい。」
「うん、いいよ。まるちゃんも、わたしの友だちになってくれますか。」
「もちろんさ。」
まんまるくまのまるちゃんは、まんまるである。
まんまるなので、まるちゃんなのだ。
とにかくまるい。
こんなに、まんまるなくまはどこにもいないと思われるくらい、
まんまるだった。
ある日、○ちゃんは、その比類のないまんまるさを
自分で確かめてみたくて、
ころころと地面をころがってみることにした。
むかしあるところに、まんまるくまの○ちゃんというクマがおりました。
引き裂かれた世界を、○ちゃんは、どのように歩いていくでしょうか。
みなさんと、考えながら、○ちゃんも進んでいきます。風と光を味方につけて、いつか羽ばたく日まで・・・。更新おたのしみにね。